花粉症に対する漢方薬
2月も下旬になり、花粉の飛散量が多くなってきました。
前回は、花粉症をホメオパシーで対処する方法について書きました。
今回は花粉症に使われる漢方薬についてのお話です。
漢方薬は古くから日本で使われてきたお薬で、ドラッグストアで売られているくらいにとても身近な存在です。
自分に合う薬をみつけて、つらい花粉症の時期を少しでも楽に過ごせていただけますように。
花粉症に対する漢方薬
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
漢方になじみのある方なら、
「花粉症の漢方といったら、小青竜湯でしょ?」
と言われます。
そのとおりです。
流れるほどたくさんの鼻水、鼻づまり、くしゃみ、眼のかゆみなどの症状をやわらげてくれます。
小青竜湯は、体力が中等度の人に向いています。
麻黄(まおう)という生薬が含まれているため、体質が合わないと、胃がむかむかしたり、心臓がドキドキすることがあります。
では体力のない人はどうしたらよいでしょう?
苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)
これは「小青竜湯の裏のくすり」と呼ばれているお薬です。
比較的体力の低下した人で、冷え性の人に向いています。
麻黄が含まれていないので、胃腸の弱い人でも使いやすいお薬です。
小青竜湯のような切れのよさはありませんが、ゆっくりと鼻水などの症状が楽になってきます。
麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)
冷えに対する漢方薬にもでてきました。
方剤名にあるとおり麻黄が含まれているのですが、不思議なことにこれは、高齢の方や虚弱な方によく使われるお薬です。
比較的体力の低下した人で、冷え性の人に向いています。
麻黄(まおう)が含まれているため、胃がむかむかしたり、心臓がドキドキするときは、無理をせず量を減らすか、ほかの薬に変えてください。
小青竜湯が効くけど、もっと効くものはありませんか?
越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)
結構強力な麻黄剤です。
比較的体力のある人向けです。
小青竜湯ではいまひとつ、越婢加朮湯だと強すぎて飲めないときは、麻黄附子細辛湯を試すといいでしょう。
そのほかの花粉症むけの漢方薬
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
体力が中等度以上で、のぼせぎみで顔が赤く、イライラする傾向のある人に。
麦門冬湯(ばくもんどうとう)
激しいくしゃみと、強い咳きこみがあるとき。
咳がこみ上げてきて、顔が赤くなり、おえーっと吐きそうになるとき。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
体力の低下した、冷え性の女性。
しもやけができやすい人。
生理に関する問題のある人にためしていただきたい方剤です。