つらい冷えに対する漢方薬

一年で一番寒い時期になりました。

京都の冬といえば、底冷え。

京都は盆地であるため、地面に近いところにたまった冷気が逃げ出さず、足元から冷えるのだと言われています。

「足元から冷える」とか「しんから冷えて、体がなかなか温まらない」というように、強い冷えを感じます。

寒いというより冷えるのです。

ホメオパシーでは、冷えに対する敏感さを、

その人を特徴づけるルーブリック(特徴的な症状)の一つとしてとらえます。

「冷えると症状が悪化する」

「すきま風に敏感である」

「冬が嫌い」

などは、冷えに対して敏感であることを示しています。

 

体温が下がると病気にかかりやすくなる

体温が1℃下がると、免疫力が30%低下するといわれます。

免疫とは、免疫細胞が、がんなどの異常細胞や、病原体から体を守る仕組みのことです。

ですから免疫力が落ちてしまうと、がんや感染症にかかりやすくなってしまいます。

これはたいへん!

ちまたで流行しているウイルスにかかりやすくなるなんて!

 

冷え症とは

冷え症の診断基準はありません。

体温が低くなくても、冷えを感じやすい人は冷え症だということになります。

西洋医学では、血管を広げる作用のある薬や、血小板の働きを抑える薬が使われます。

やせすぎや貧血など、冷えにつながる原因がある場合は、その治療が必要です。

 

冷え症の方におすすめの漢方薬がいくつかあります。

漢方薬は、単一の有効成分ではなく、複数の生薬を組み合わせてつくられているため、

冷えが良くなるだけでなく、ほかの症状が改善されたりすることも期待できます。

体質や、冷えの症状によって使い分けをします。

 

冷えに対する漢方薬

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)

これは、しもやけの特効薬です。

手足の冷えがつらい人におすすめです。

附子(ぶし)を加えると、もっと温まります。

長くて読みにくい名前ですが、四逆とは手足の冷えを意味します。

約1800年前の中国で編纂された「傷寒論(しょうかんろん)」にも出てくる漢方薬で、

「手足が冷える人、体質的に冷える人に使うとよい」と記されています。

現在では、脊柱管狭窄症による腰痛や下肢閉塞性動脈硬化症にも使われています。


 

真武湯(しんぶとう)

疲労倦怠感が強く、弱っている人に用います。

体の芯から冷える人

全体が冷える人

特にお腹が冷える

下痢をする人


 

加味逍遥散(かみしょうようさん)

顔がほてって、首から下が冷える人

冷えのぼせ

自律神経失調症や更年期障害によく使用されます

体力は平均的からやや弱い人で、

肩こりや便秘傾向のある人によく合います


 

麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)

主に感冒や気管支炎で使われる薬ですが、冷えがよくなります。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯で冷えがあまり良くならない人に、麻黄附子細辛湯をあわせて使うこともあります。


 

五積散(ごしゃくさん)

冷房がつらい

足が冷えて、顔がのぼせる人

朝に腰痛がある人


 

温経湯(うんけいとう)

唇が乾燥し、手あれのある人

妊娠希望の冷え症の人

月経不順の人


冷え症でない人でも、どうぞ体を冷やさないように、暖かくしてお過ごしください。

 

 

 

 

 

 

 

 

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