化膿したときに役立つホメオパシーと漢方薬
Hepar sulph (Hep.)
ヘパサルファというレメディがあります。
硫化カルシウムからつくられたレメディで、ハーネマンがひらめきでつくったと言われています。
成分に含まれる硫黄は、膿を治療する良いレメディです。
へパサルファは、牡蠣の殻(Calc. カルク)の粉末と硫黄(Sulph. サルファ)を混ぜ合わせて作られるのですが、高温・高圧の炉の中で生成されると、イタリア人医師ホメオパスであるバレリオ先生の講義で聞きました。
このようにしてつくられたレメディは、体の中に閉じ込められている膿そのものです。
外に出たがっている膿をヘパサルファが癒やすのは、まさに類似の法則であることにお気づきになるでしょう。
ホメオパシーのダイナミックが現れています。
ハーネマン先生、すごい!
ヘパサルファ体質の人は、体が冷えていて、外部の刺激にとても敏感な人です。
痛みに弱くて、風邪をひきやすく、化膿しやすい体質です。
わずかなストレスにも過敏に反応します。
外面は冷たいカルク(Calc. 牡蠣殻)なのですが、
内面は活火山のようで、まるでサルファ(Sulph. 硫黄)です。
衝動性があり、イライラしています。
放火しようとする衝動があることもあります。
化膿したときのホメオパシー・セルフケア
ヘパサルファは
傷が化膿したとき
おでき
アテローム(粉瘤、ふんりゅう)
歯肉炎
慢性副鼻腔炎(ちくのう症)
など、黄色い膿がでるときに役立つレメディです。
爪周囲炎
最近、爪周囲炎になり、ヘパサルファに助けられました。
爪の横にささくれが飛びだす、爪ささくれができることがあります。
ささくれは乾燥が原因でできることが多いため、乾燥肌の人だけでなく、近頃は手を洗ったり、消毒をする機会が増えたために、ささくれができる方が多くなっているかもしれません。
放っておくと、何かにひかっかって気になるし、痛くて邪魔。
爪切りやはさみなどで根元から切るのが良いようですが、これが結構難しい。
エイっと抜いてしまうと、ささくれの根元は皮膚にくい込んでいるので血が出て、そのあと化膿してしまうことがあります。
爪の周囲が傷ついてばい菌がはいり、赤く腫れるなどの炎症を起こしたものを、爪周囲炎と言います。
指先は少し腫れただけでとても痛みますし、指は何かに触れることが多いため、そっとしておきたいのにそうもいきません。
化膿したときのレメディの選び方
ホメオパシーで化膿を対処するときは、状態を見てレメディを選んでいきます。
初期で、赤く腫れて、ズキズキ痛いときはベラドンナ(Belladonna、Bell.)。
膿がたまって、皮膚が硬くなり、痛くてたまらなくなったらヘパサルファ(Hep.)が適しています。
膿を出して、炎症をおさえ、痛みを軽減してくれます。
最後に、膿が少し残って治りきらないときはシリカ(Silica、Sil.)を選ぶと良いです。
どれも基本キットにあるレメディなので、選ぶ時の参考にしてください。
化膿したときに役立つ漢方薬
排膿散及湯 ー はいのうさんきゅうとう
膿があるときに漢方薬を使いたいときは、排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)です。
どの場所であっても、膿があれば、排膿散及湯を使うと治りが速やかです。
とてもわかりやすい名前ですね。
化膿に対してヘパサルファを使う状況に使うことができます。
化膿というと「傷の化膿」を思い浮かべますが、副鼻腔炎(ちくのう症)にもよく使われています。
副鼻腔炎は、鼻の周囲にある空洞に炎症がおこる病気で、ひどくなると膿がたまって、膿のような鼻が出ることがあります。
膿が溜まってしまったときは、排膿散及湯を使います。
排膿散及湯を飲むと、たくさん鼻がでるのでびっくりされるようです。
ほかに、
結膜炎で目やにが多い時
麦粒腫(ものもらい)
歯そうのうろう
皮膚の化膿
など、いろいろ役立ちます。
排膿散及湯のキーワードは「膿」です。