天使と悪魔のベラドンナ

ベラドンナはイタリア語で「美しい女性」という意味です。

中世の女性は、眼を美しく見せるためにベラドンナのしずくを眼にさしました。

そうすると、瞳がひらいて、眼がキラキラして美しく見えるのです。

目力アップですね。

しかし、それは命がけの目薬でした。

ベラドンナは毒性が強く、点眼で命を落とした女性もいたようです。

 

ベラドンナの学名 Atropa belladonna に出てくるAtropaは、ギリシャ神話の三女神の一人、アトロポスからつけられました。

アトロポスの役目は生死を決めることです。

 

ベラドンナはナス科のハーブで、秋になるとサクランボくらいの大きさの黒い実をつけます。

ベラドンナの実は、まるでキラキラと大きく開いた瞳のようです。

 

ベラドンナに含まれるアトロピンという成分は、現代の医療でも欠かせない薬のひとつです。

ジュリエットを仮死状態にした薬草

シェークスピアの「ロミオとジュリエット」の中で、ジュリエットが飲んだ薬がこのベラドンナであると信じられています。

 

宝塚歌劇のロミオとジュリエットの中に、ロレンス神父の庭の場面があります。

ロレンス神父が

赤い実をつけた枝を手にとって「これはヒペリカム・・・」

黒い実をつけた枝を手にとると「ベラドンナはこっちだ。間違えたら大ごとだ・・」

と、摘んできた薬草を慎重に確認しています。

そして、ロミオに注意を促します。

「気をつけろ。ベラドンナの実には猛毒がある。」

 

ヒペリカムは、ホメオパシーのレメディ(Hyper.)としても使われています。

 

ロミオとジュリエットは愛の物語ですが、その愛には死の影が宿っています。

ロレンス神父は、ベラドンナから作った薬をジュリエットに渡しました。

仮死状態から目覚めてロミオと結ばれる計画は、実を結ぶことがありませんでした。

ホメオパシーのベラドンナ

Belladonnna (Bell.と略します)

ホメオパシーでベラドンナは、急性の炎症、痛み、発熱に使われています。

症状は、突然激しく始まります。

病気になると神経質になって、音や周りからの刺激に敏感になっています。

不安になったり、突然怒り出したり、興奮してうわごとを言ったりします。

瞳は開いて、輝いているでしょう。

 

ベラドンナは、子どもにも素晴らしい効果があるレメディです。

元気なときは陽気でかわいらしい子どもが、病気のときは暴力的になったりします。

健康なときは天使、病気のときは悪魔のようだと表現されます。

 

発熱

ベラドンナは発熱によく使われます。

赤くて、熱くて、ズキズキすることが特徴です。

 

風邪などの感染症に使われることが多いレメディです。

口の中は渇いて、カラカラです。

レモンやレモネードを欲しがります。

急に熱が出て、不安を感じたり落ち着きがなくなったら、ベラドンナが癒やしてくれるでしょう。

熱中症になって、落ち着きがない人にも良いレメディです。

 

頭痛

ズキズキと脈打つような痛みです。

右側の頭痛で、赤い顔をしています。

 

 

 

 

 

 

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