新型コロナとインフルエンザは同時流行するのか?
この冬は、インフルエンザと新型コロナが流行するから対策を・・・という記事を目にすることが多くなってきました。
本当に両者が入り乱れて恐ろしい事態になるのでしょうか。
同時流行の心配はありません
実際に南半球では一足先に2020年の冬を迎えていて、インフルエンザは記録的に少なく、流行はみられませんでした。
毎年、南半球の流行が北半球に移ってくるわけですから、この冬のインフルエンザはかなり少ないことが予想されます。
ウイルス干渉とは
ライノウイルス(普通の風邪ウイルスですね)は年中みられるが、インフルエンザのピークを迎える1月から2月には、ライノウイルス感染者は減ったと掲載されていました。
これをウイルス干渉として説明しています。
日本でも昨年のインフルエンザの患者数をみてみると、2019年12月には例年にみられるように1月から2月のピークに向かって増加していましたが、新型コロナの出現に合わせて、流行がストップしました。
200年前にすでに観察されていた現象
ホメオパシーの祖、ハーネマンは200年も前にこの現象を理解していました。
ウイルス感染症に限らず、ふたつの病気が同時に発生したときにたどる経過について、オルガノン第6版の第35章から記されています。
強い病気は弱い病気の活動を止めてしまうから同時に現れない。
感染力からみると、強い病気とは新型コロナで、弱い病気とはインフルエンザと当てはめることができます。
もちろん、強い病気の流行が終息すれば、再び弱い病気の流行が始まります。
二つの類似していない病気が一人の人に発症し、その強さが二つとも同じか、もしくは古い病気のほうがより強い場合は、古い病気は新しい病気を体に寄せ付けない。
オルガノン§36
わかりにくい文章なのですが、
「強い病気にかかっているときは、軽いものがきたときにはかからない」
ということです。
次は、類似していない新しい病気が、古い病気よりも強い場合である。この場合、患者がすでにかかっている病気のほうが弱いので、あとからかかった強い病気によって進行が止められる。新しい病気が峠を越すか、治癒してから、古い病気は治療されていない状態で再び現れる。
オルガノン§38
これは、
「古い病気は、新しい強い病気によって進行が止まる。
新しい病気が治ると、古い病気が再び現れてくる」
ということです。
具体例をあげよう。てんかんを患っている二人の子どもが、頭部の皮疹に感染した。するとその間てんかんの発作がでなかった。しかし、頭部の皮疹がなくなると、発作が以前と同じようにまた再発した。
オルガノン§38
初診外来をやっていると、同じ症状の方が続けて受診されます。
胃腸風邪がはやっていたら、ほとんどの人が下痢やむかつきの症状を訴えます。
そういう日には、咳で困っている風邪の人はほとんど来院されません。